ド田舎市民ウォーカーの日常

山形を拠点に活動する社会人競歩選手の徒然

競歩をやっていてよかったなぁと思った話

 

どうも、三澤です。

 

山形県に帰ってきてから3週間。現状何事もなく、

もう時効だと思うので、どうしても書き記したかったことを書かせていただきます。

 

実は4月18日に新潟県胎内市で開催される予定だった「下越陸上競技選手権大会」

の10000mWにエントリーをしておりました。

 

 

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新型コロナウイルスの感染が拡大している中でしたが、山形県から近場で行われる貴重な試合の機会を逃したくないと思い、コロナにびくびくしつつも感染対策は万全にし、ほとんど誰にも言わずに単身新潟へと乗り込みました。

 

私の住む山形市から胎内市までは下道で約2時間半。レース当日のスタート時刻は12時50分とやや遅めのスタート時間だったのですが、移動距離が長いため前日に胎内市に入り、市内の宿舎へ宿泊しました。

 

レース当日。気象予報では降水確率100%。

予報通りの雨と風の寒いコンディションでした。

これはタフなコンディションの中での歩きになるなぁ・・

なんて考えながら朝練習を行い、朝食を摂り、ホテルを後にし会場へ。

 

会場につくと雨が強くなったり弱くなったりの不安定なコンディションに加え、強風が常に吹き荒れるまさに「悪条件」という感じがひしひしと伝わるような環境でした。

 

ありがたいことに会場近くの体育館で待機することができたので、音楽を聴いたりしながらウォーミングアップの開始時間まで待っていたその時のことでした。

 

 

 

悪天候による競技会の中止が発表されました。

 

えぇぇぇぇぇぇぇ・・・

 

前日から新潟に入ったのにこれはひでぇよ・・・

 

確かに悪天候ではありますが、レースができないほどではないのでは?

という感じの天候で、ウォーミングアップすらしていない私はいたたまれなくなっていました。

 

しかし中止は中止。私の力では何もできません。

まさかコロナ以外の件で試合が中止になるとは・・それも直前に。

こんなご時世に県外から乗り込んだ罰ですかね、なんて思ってしまいました。 

 

とりあえず荷物をまとめて車に戻り、運転席で途方に暮れていた時のこと。

かねてよりSNSでお見掛けしていた新潟県競歩関係の方からご連絡をいただきました。

 

競技会は中止になってしまったが、せっかくなのでその日審判を予定していた

新潟の競歩関係者の方と一緒にご飯でもどうか、と。

 

とてもありがたいお誘い・・

この時までSNSでのみの交流しかなかった私に気を配っていただけるなんて・・

と、皆様のやさしさをひしひしと感じ涙が出そうでした^^;

 

しかし、私はとてもやりきれない思いがあったため、その前に5000mの1本でも歩きたいと思っていました。

 

その意思を伝えると、なんと当日おなじレースに出る予定だった新潟の学生も一緒に歩いてくださる、というではないですか・・

 

どうやら、私のわがままを聞いて学生たちにお声をかけていただいたようでした。

本当に頭が上がりません・・・・・

 

ということで、新潟の学生2名と、私の計3名で悪天候の中の5000mT.Tが始まりました。

 

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さすがに競技会が中止になるほどの強風の中なので、タイムはひどいもんでしたが、

一緒に歩いてくれた学生選手2名と、動画撮影やタイム読みをしていただいた新潟の競歩関係者の方々に支えられて悪条件下でもなんとか歩ききることができました。

 

本当の競技会ではなかったですが、その日できる歩きはしっかりできたと思います。

 

何より、一度競技会の中止で底まで落ちたメンタルの中でもあきらめずに最後まで歩けたことは確実に今後につながってゆくと思います。

 

そのあとは一緒に歩いた学生2名と、サポートしていただいた新潟競歩の大先輩2名と一緒に食事をさせていただきました。

 

新潟県競歩事情や、雪国ならではの冬の練習方法など中身の濃いお話をして、

今後ももっと競技を頑張ろう、と思えたとても貴重な時間を過ごせました。

 

何より、今回お会いした方は昨年6月に開催した山形競歩主催のオンラインタイムトライアルにご参加いただいた方々でした。

当企画にご参加いただいた方々へは、ご参加いただいたお礼をいつか直接言いたいなと思っていたところでしたので、今回お話ができて、お礼も言えて本当に充実した時間になりました。

 

 

今回の経験は、競歩独特の「選手同士の距離が近い」という特徴があってのことだと思います。

 

競技人口が少ない種目だからこそ、競技レベルに関わらず、チームの垣根も超えて交流があるのが競歩の魅力の一つになっています。

(といっても私はそこまで交流が多いほうではありませんが・・笑)

 

もし、今回の遠征が走る種目の記録会だったとしたら、本当に何もできずにその辺で適当に走って疲れて帰ってきただけだったと思います。

 

しかし、競歩をやっていたからこそ生まれたつながりに助けられて、傍から見たら散々な経験でも、人のあたたかみを感じられる貴重な経験に変えることができました。

 

こういったことを経験したことでさらに今後、競技に前向きに取り組めて、

競技以外の面でもつながっていきそうな気がしています。

 

あーーーー競歩やっていて本当に良かった。

 

新潟の皆様、本当にありがとうございました。

 

いつか合同(酒飲み)合宿、やりましょう。

 

では、本日も読んでいただきありがとうございました。